コントレックスの問題解決
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(解説)右判例は、共同運行供用者が会社と取締役という関係にありますが、車の所有者が、運転を友人に任せて同乗中に事故にあった場合、ハンドルを代わっていた友人との関係において、所有者が他人といえるか否かはよく問題になります。
萄同乗中の所有者の他人性◎ハンドルを交替した友人の過失により、助手席で重傷を負い後に死亡した車の保有者が他人に当たらないとされた例(最高裁・昭和五五年六月一〇日判決)(事案)友達と夜遊びに出かけ、飲食遊興して深夜帰宅途中の事故です。
運転はずっと車の所有者である甲がしていましたが、事故直前眠気を覚えて、友人乙と運転を交替し、助手席に移って1息入れたとき、乙の運転ミスにより橋柱に激突しました。
(判決)甲が他人に当たるか否か争いになりましたが、控訴審は甲も乙も運行供用者と認定したあとへ被害者となった運行供用者甲の運転支配が、乙のそれよりも終始直接的・顕在的・具体的であるからへ甲は自賠法三条の他人に当たらないと判決しました(札幌高裁・昭和五四年一〇月三〇日)。
(解説)本判例は右判決を正当として是認したものですが、前記昭和五〇年二月四日の判例が指導的役割を果たしていることがうかがえます。
たまたま運転を交替し助手席に同乗していると、他人に当たらないとして、強制保険金もとれなくなります。
その後、こういう友人とのハンドル交替後の事故のケースで、高裁では他人であることを主張できるとされながら、重商我で破棄され、他人とはいえないと厳しい判決が出ましたので紹介しておきます。
◎同乗中の所有者が他人として保護されるのは、運転者が所有者の指示を守らないなど運行支配に服さない特段の事情がある場合にかぎる(最高裁・昭和五七年二月二六日判決)(事案)甲は高校時代の同級生数人を自分の車に乗せてスナックに行き、会合を楽しんだあと、友人らを最寄りの駅まで送ろうとしました。
しかし、仲間の乙が希望者を自分の下宿に連れて行って飲み直すため、自分に運転させてほしいと頼んだので、渋々承諾し、甲も電車で帰ることにして自動車の後部座席に便乗しました。
乙は駅に向かって運転中ガードレールに激突する事故を起こし、甲は死亡しました。
(判決)車の所有者甲も、運転者乙もいずれも運行供用者ですが、控訴審は、甲は乙に対しては自賠法三条の他人であることを主張することができると判断し、保険会社に対する保険金の請求を認めました(東京高裁・昭和五五年九月四日判決)。
その理由は、事故当時の車の運行状況は、乙が運転者であり、乙が危険を回避すべ期待され、それが可能であったにもかかわらず事故を起こした直接的立場の運行供用者であるのに対し、甲は、運行供用者であるといっても、最寄の駅までの単なる同乗者であって、具体的には乙を通してのみ車による事故防止を監視できる立場にしかなく、車に対する運行支配は、乙が直接的・顕在的・具体的であり、甲は間接的・潜在的・抽象的だから、というものです。
ところが本判例は、・友人らの帰宅のために車を提供した甲にとり、乙が一部の者と下宿先に行こうと考えていたとしても、もともとの目的と矛盾するものではなく、乙とともに車の運行による利益を受け、車を支配していたものであって、単に便乗とみることは相当でない。
・甲がある程度乙自身の判断で運行することを許したとしても、甲は事故防止の中心的な責任を負う所有者として同乗したのであって、甲は乙に対し、いつでも運転について具体的に指示した、運転を交替することを命じうる立場にあった。
・したがって、運転者乙が所有者甲の運行支配に服従せず、甲の指示を守らなかったなどの特別の事情がある場合は格別、そうでないかぎり、本件自動車の具体的運行に対する甲の支配の程度は、運転していた乙のそれに比べ、優るとも劣らなかったし、・このような運行支配を有する甲は、その運行支配に服すべき立場にある乙に対する関係において、自賠法三条本文の他人に当たるということはできない。
と述べて、乙が甲のいうことを聞かず、あるいは指示を無視したなど特別の事情があったか否か、さらに審理をつくすよう、東一畳尚裁に裁判のやり直しを命じました。
(解説)運転を替ったり、譲ったりした場合でも、車の所有者は特別の事情のないかぎり、同乗していれば運転者より優位な運行支配者の立場にある、とみているので、万1の場合、強制保険金による賠償を得られない可能性が大です。
◎運転代行業者に運転を依頼して同乗中に事故により負傷した自動車の使用権者が、運転代有業者に対する関係において他人に当たるとされた事例(最高裁平成九年一〇月三一日判決)(事案)ⅩはA会社の従業日月であり、A会社所有の自動車を貸与され、これを業務および私用のために使用することを許されていました。
Ⅹは、勤務後スナックで飲酒し、運転代行業者であるBに全社所有の自動車を自宅まで運転することを依頼し、Bは代行運転者としてCを派遣しました。
Cは、A会社所有の自動車にⅩを乗せて運転中に事故を起こし、Ⅹは右事故により右眼を失明しました。
Ⅹは、自賠責保険の保険会社であるYに対し、BおよびCがA会社所有の自動車の保有者として、損害を賠償する義務が存在するとして、自賠法一六条一項に基づいて損害賠償の請求をした事案です。
(判決)本判決は、運転代有業者Bは、自動車の使用権を有するⅩから、Ⅹを自宅まで同乗させる業務を有償で引き受け、Cを派遣しているため、自動車を使用する権利を有し、これを自己のために運行の用に供していたとしています。
次に、他人性の問題について本判決は、・まず、自動車の所有者が、第三者の運転する自動車に同乗する場合であっても、事故防止につき中心的な責任を負う者として、第三者に対して運転の交代を命じ、あるいは運転につき具体的に指示する立場にあるから、特段の事情がない限り、「他人」に該当しないとして昭和五七年の最高裁判決を踏襲し、本件では、・Ⅹは、飲酒により安全に自動車を運転する能力、適性を欠に至ったことから、自動車を運転するために自ら運転代行を依頼したこと、・運転代行業者Cは、運転代行業務を引き受ける事により、Ⅹに対し、自動車を安全に運行して目的地まで運送する義務を負ったこと、から、・本件事故発生当時は、自動車の運行による事故の発生を防止する中心的な責任はBが負い、・Ⅹの運行支配は、Bに比べて間接的、補助的であり、したがって、・本件は特段の事情がある場合に該当し、Ⅹは他人に該当する、と認めました。
(解説)本判決は、事故防止の中心的な責任を負って自動車の所有者は、特段の事情がない限り他人に該当しないとした昭和五七年の重商裁判例の基準を引用し、自動車を常時使用する権限を有していた者についても、右基準が妥当することを示したものです。
そして、運転代行依頼者の他人性を認めた点で、共同運行供用者の他人性肯定の事例として意義を有するものです。
港同乗の恋人の賠償額は減額すべきでないとした例(事案)Aは、恋愛関係にあるBの運転する自動車に同乗していたところ、Yの運転する自動車が衝突したため、死亡してしまいました。
Aの損害が約金五〇〇〇万円、YとBの過失が六対四であった場合、YはAの遺族である両親Ⅹらに対していくら賠償しなければならないでしょうか。
なお、このケースは、AとBが恋愛関係にあったものの、婚姻ないし同居関係にはあまりせんでした。
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